不動産査定は、自分で、できる?



弊社は、相続不動産のご相談から、売却・活用支援などについて、幅広く、ご支援させて頂いております。

 

ご依頼者からの「不動産査定」に関するご相談が増えております。

 

WEBなどで、自宅の住所を入力すれば、直ちに「ご自宅の不動産査定ができます」との誘いがありますが、情報を入力すれば、不動産会社からの「望まない営業連絡」が頻繁にあるのではないかという不安から、ためらうことは、ないでしょうか、

 

不動産査定の仕組みと方法について、わかりやすくお伝えしますので、まずは、ご自身で、不動産査定をされてはいかがでしょうか。

 

相続不動産を売却する際、まずは、「売却価格」を決めることです。

 

その際、いきなりに、不動産会社の不動産査定サービスに入力して、依頼するのではなく、土地の場合であれば、公示価格(国交省:毎年1月1日)や基準地価格(都道府県:毎年7月1日)、路線価(国税庁:毎年1月1日)などから、当該土地の「土地」の実勢価格を絞り込みます。

 

建物の場合には、固定資産税評価額などから、一定の相場価格の基準となる指標を確認することが重要です。

 

そして、実際の取引相場を知るには、近隣の地域で販売されている直近の物件の情報を調べる(築年数・間取り・面積・立地条件・前面道路など)ことにより、周辺相場を知ることができます。

 

【土地の査定】

 

土地の価格は、国や都道府県がそれぞれ異なる視点で評価をしているため、同じ場所でも異なる評価基準が定められています。そのため、土地には複数の価格があり、「一物五価」、つまり1つの土地に5つの価格があるとされるのが一般的です。

 

この一物五価の中に、「相続税路線価(評価額)」と「固定資産税路線価(評価額)」などが存在します。詳しく、見てみましょう。

  

(1) 路線価(相続税路線価(評価額))

 

路線価とは「路線(道路)に面する標準的な宅地1m2あたりの価格」のことです。相続税や贈与税の算出に使用する「相続税路線価」で、「路線価」といった場合は「相続税路線価」のことを指します。

 

★令和6年7月1日 公表 「路線価」【最新】★

 

国税庁:「路線価の見方」

https://www.rosenka.nta.go.jp/docs/ref_prcf.htm

 

(2) 公示価格

 

国土交通省が毎年3月下旬に公示する全国の標準地の1m2あたりの価格のことです。全国の標準地は、2024年時点で2万6,000地点があります。実勢価格とは異なり、売り急ぎなどの特殊な事情を加味せずに決められるもので、一般の土地取引の指標価格となります。

 

(3) 基準地価(基準値標準価格)

 

基準地価とは、各都道府県が調査主体となり判定した基準地の1m2あたりの標準価格です。

(基準地は約2万2,000地点・基準日は7月1日(公表はその年の9月))

 

基準地価は、(2)の公示価格と比較すると、基準地の対象が異なり、公示地価を補完する役割を持っています。

 

なお、公示地価や基準地価は、国土交通省の「土地情報ライブラリ」(不動産取引価格情報提供制度)で一括確認することが可能です。

 

【確認可能な公示価格等】★国土交通省地価公示、★都道府県地価調査、★不動産取引価格情報、★成約価格情報 

 

国土交通省「土地情報ライブラリ」

https://www.reinfolib.mlit.go.jp/

 

(4) 固定資産税路線価

 

固定資産税評価額とは、不動産の所有者が毎年納付する「固定資産税」・「都市計画税」や不動産を取得した時点で発生する「不動産取得税」・「登録免許税」を算出する基準となるものです。評価額の見直しは、毎年ではなく、原則3年ごとに行われます。

 

(5) 実勢価格

 

実勢価格とは、実際に売買契約を交わした当事者間で合意された土地の価格のことです。土地の条件に加え、売り主・買い主の事情なども加味されて決定した価格になります。

 

路線価、公示地価、基準地価、固定資産税評価額は、不動産の価値を判断する際の参考になりますが、実際に不動産が売買される際には、それ以外にも、周辺施設との距離・利便性や地勢的な形状、当事者の事情など、さまざまな要因によって異なるため、売買価格とは、必ずしも、一致しません。

 

【査定不動産の土地の評点要因】

 

具体的な査定では、所在地・最寄りの公共交通機関・土地面積・方位・前面道路の幅員・土地/画地の形状・間口・供給処理施設・都市計画(用途地域)・建ぺい率・容積率などについて、ポイントの加算・減算により、総合評価点を算出し、査定価格を導きます。

 

相続不動産の売却を検討している方は、直近の実勢価格の確認に加えて、各評価要因に基づく「適正な査定価格」の提示をする不動産事業者の見積も参考にして、慎重な検討が必要です。

 


令和6年地価公示の概要(国土交通省)
令和6年地価公示の概要(国土交通省)

【建物の査定】

 

それでは、建物(住宅)の査定方法は、どうすれば、自身で、できるでしょうか。

ここでは、戸建住宅価格の査定について、解説します。

 

1 基本情報

 

査定は、基本情報として、所在地・構造(工法)・延床面積・建築年月日・確認申請通知書の有無・経過年数・新耐震基準の適合性などから、各ポイントを算出します。

 

2 建物のグレード情報

 

建物のグレード情報として、基礎・躯体・外部仕上・内部仕上・設備(台所・洗面・浴室・トイレ)(給排水・給湯設備)(照明設備・電気設備)などから、各ポイントを算出します。

 

3 部位別のリフォーム・維持管理状態

 

基礎・躯体の状態(建物状況調査等の実施の有無)、外部仕上のリフォーム(屋根・外壁・外部建具)の実施時期、内部仕上のリフォーム(内部建具・内装仕上) の実施時期、設備のリフォーム(台所・洗面・浴室・トイレ・給湯設備)の実施時期などから、各ポイントを算出します。

 

4 その他の付加価値項目等

 

(1) 基礎的な建築図面等の保管状況(新築時の設計図書等・建築基準法に基づく確認通知書・検査済証)

 

(2) 情報開示等に関する評価(建築状況調査報告書・白アリ検査合格保証書・専門業者による住宅全体の点検・補修など) 

 

(3) 新耐震基準に関する評価(1981年以前、又は1982~2000年に建築された建物であるが耐震適合証明書等がある)

 

(4) 付加価値設備の評価(浴室設備(ジェットバス等)・給湯設備(エコジョーズ等)発電設備(太陽光発電・蓄電池等)防犯設備(生体認証等)その他(床暖房・二重サッシ・全部屋空調設備) ・ガレージ(車庫の設備等)・外部の散水栓等

 

5 目視による物件の現状評価

 

(1) 外構(門塀・門扉・アプローチ・周辺囲障・植栽の手入れの状態など)

(2) 外観(屋根・外壁・サッシ等の状態)

(3) 内装・設備(壁紙・床・建具・水回りの設備の汚れ等)

 

以上について、査定し、ポイント評価を積み上げて、総合評価を導きます。

 

査定のフローチャートは、以上から、「標準建築費」(1m2あたり)を算出し、これに、規模修正率・新耐震基準適合性・建物z年体の品質格差率を乗じて、「再調達価格」を算出します(1m2あたり)

 

次に、「現価率」(修繕・維持管理状況)を乗じて、「現在単価」を算出し、こrてに「総延床面積」と「付加価値率」を乗じて、「建物価格」を算出します。

 

これに、「補正率」を乗じて、「建物査定価格」が算出されます。

 

この「建物査定価格」に、「土地査定価格」を加え、当該物件の「流通性比率」を乗じて、査定物件価格が算出されます。

 

自分でやってみようと関心がある方は、お問合せ頂ければ、ご支援は可能です。

 

まずは、ご自身で、当該物件の「不動産売却価格」を査定してみると、当該不動産の資産価値がチェックでき、適正な売却価格を踏まえた、売却の決断に役立ちます。 

 


【徒然のひとこと】 


相続不動産について、ご相談が増えております。特に、相続した「実家の管理」でのご相談が過半を占めています。

 

借家など賃貸や民泊等の活用(委託管理)もありますが、現実的には、売却を検討される方が少なくありません。

 

弊社やまとグループでは、不動産の売却に関わるご相談から、不動産売却価格のご提案・成約まで、サポートさせて頂いております。

 

また、借家管理・民泊等の住宅宿泊事業のご支援なども、お客さまのご意向に寄り添って、支援させて頂いております。

 

不動産に関わることでお悩みのある方は、お気軽に、ご相談ください。