相続や空き家などによる「遺品整理」や「残置物撤去」などにおいて、お困りはないでしょうか?
当事務所には、R4年9月以降、遺品整理や残置物撤去に関わるご相談が大変多くなっております。
ご相談内容は、高齢者の介護施設入居のご支援やご遺言に基づく遺言執行から、空き家となった家の残置物又は遺品の整理や撤去について、どうすればいいか、どこに頼めばいいか、費用はどのくらい必要か、などのご相談です。
直近では、サービス付き高齢者向け住宅の入居に伴い、お住いの一戸建てから転居されたご夫婦から「残置物の整理・処分のご委任」と、当事務所が遺言執行者として、すべて相続手続きが完了した後に、ご相続人から「遺品整理業務のご委任」の事例をご紹介します。
どちらも、20年以上お住いの家には、冷蔵庫・洗濯機・エアコンなどの生活家電、リビング周りの食器・調理器具等、クローゼット・タンスの中の着物・衣料等、書籍・アルバム・テープ・置物等に加えて、身の回りの生活雑費など、多くのモノがあります。
遺品整理・残置物撤去では、お住まいの方の日々の整理・片付けや掃除など、その程度が様々ですので、整理の難易度・大変さは、個別案件ごとに異なります。
遺品整理・残置物の状況・内容について、確認しないで、すべてゴミとして、安易に処理事業者に一括外注するケースがありますが、重要な古物・骨董品等が含まれている場合も少なくなく、処分後にそのモノの価値に気が付いて、取り返しがつかない事態となって、後悔されることもあります。
例えば、都内のマンションで一人暮しの女性(R4.10月ご逝去)の場合には、遺品整理・処分に関して、生前、日々の整理や掃除が得意な方でしたので、遺品整理にはほとんど手がかからずに、保存状況が良く価値がある遺品・残置物ばかりでしたので、リサイクルショップ等に売却、又は、古物商に販売委託などを行った事例です。
一方、介護施設の入居に伴う転居の場合、残置物の整理・処分に関して、お住まいの方が高齢で、かつ、身体の不自由により、身の回りのモノを整理・片付けが十分にできずに、介護施設に転居後に、残置物の取扱いのご意向を聞きつつ、整理・片付け等を行うため、数か月を要した事例です。
まずは、遺品・残置物の整理・区分・分別・確認ができたなら、それぞれの分別に基づいて、処分方法を選んでいくことになります。
家電リサイクル法で定められた家電(エアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機)は、多くのごみ処理場では受け入れ不可となっています。リサイクル券を購入して、自治体の指定引き取り場所へ持ち込みとなります。
では、実際の遺品整理・残置物の処分方法や手順について、見てみましょう。
◆ 処分方法
遺品整理・残置物の処理にあたっては、量や処分費用等によって、最適な処分方法は次の区分に分かれます。
方法1:一般ごみとして処分する
お住いの自治体が回収する「一般ごみ」として、残置物を処分する方法です。処分する残置物が少量の場合や、指定のごみ袋に入る程度の大きさ(一辺30cm以下の自治体が多い)の場合には利用できます。
可燃ごみや不燃ごみも、自治体の分別方法に従って残置物を分別して、指定の回収場所へ持ち込みます。
方法2:ごみ処理施設に持ち込む
大量の残置物を処理する場合には、ごみの分別(燃えるごみ・粗大ごみ)がされていれば、自治体の指定のごみ処理施設(清掃工場など)へ持ち込む方法が最善です。遺品整理業者への外注と比べて、はるかに安価で処分が行えます。
方法3:一般廃棄物処理業者に処分を依頼
家庭から発生する残置物は、事業によって発生する残置物ではないため、産業廃棄物として取扱いはできず、一般廃棄物として、一般廃棄物処理業者に処分を委ねることとなります。
この場合、遺品整理・残置物撤去に関して、一般廃棄物の許可を有しているかを事前に確認しておく必要がります。
方法4:リサイクルショップ等で売却
遺品整理・残置物の中には、価値がある古物も含めて、保存状況の良いモノがあります。これらのモノを「ごみ」として取り扱うのではなく、少額であってもリサイクルショップに買取・売却する検討が必要となります。
方法5:不用品回収業者・遺品整理業者に処分を依頼
労力や時間をかけずに残置物を処分する場合、費用は掛かりますが、不用品回収事業者や遺品整理事業者に依頼する方法があります。
これらの業者に依頼すれば、ごみを分別する必要もなく、残置物の搬出・積み込み・運搬・処分まで全て行ってくれます。
また、買取の場合は、貴金属や一眼レフ、骨董品などの価値を得られるようなもの買取査定も行いますが、金額はほとんど少額(ゼロに近い)見積りであって、適正価格は期待できない状況です。
自ら、リサイクルショップに持ち込むか、ECサイトを運営している事業者等に、買取査定をしてもらう方法をお勧めします。
買取するには、古物商許可が必要になるので、買取希望をする場合には、その事業者が古物商許可を取得しているかの確認が必要です。
◆ 費用
次に、遺品整理・残置物撤去について、遺品整理事業者に依頼する場合の費用について、見てみましょう。
費用相場は、基本的には、間取りと人件費からの算出が一般的です。例えば、マンションの2DKであれば、作業人員4名で132,000円(税込)~176,000円(税込)など、居住面積の広さと搬出・運搬・処分に要する労力によって異なります。
一戸建て(2F建)の場合、3LDKの70㎡であれば、作業人員6名で275,000円(税込)~などの見積額が示されます。
見積には、遺品(残置物)分別、不用品等の処分、室内簡易清掃は含んでいますが、遺品の供養、畳の撤去、エアコンの取外し、仏壇の撤去、消臭作業、ハウスクリーニングなどは、別途の見積として、追加料金を求めるケースが多く、事業者別に見積額の差も大きいことから、注意が必要です。
業者によって、見積額が2~4割超の格差がありますので、業者選びには、複数の相見積を取って、慎重な検討をお勧めします。
◆ 事業者の選び方
現実には、相続人やご自身で対応するには難しいと感じるため、遺品整理事業者に対応を依頼する人は多い状況です。
しかし、遺品整理事業者を選ぶに当たって、同じエリアに遺品整理を事業として掲げている事業者が多く存在している中、何の基準に従って、適正な事業者を選ぶかの方法が分からず、悩む方が大半です。
良い遺品整理事業者は、見積を出すときに、必ず自宅訪問を行い、遺品(残置物)のひとつ一つを手に取って触って確認します。
実際に目でみて、家の状況や遺品(残置物)の種類・個数・大きさ・汚れなどについて、しっかりと詳細にメモし、写真も撮って、確認してから、正しい作業内容を把握し、見積もりを出すのが良い遺品整理事業者です。
見積のチェックポイントとして、下記のとおりです。
チェックポイント1:作業内容の明確
作業内容が明確に記載されているか、その作業内容別に、単価・数量を算出しての見積額であるかです。
よくあるのが「作業一式」と全てを大まかにまとめて、一括の金額しか記載のない見積もりです。
作業内容が明確に示していないため、実際の作業の時に「これは追加となります」と言われ、支払額が増えていく可能があります。
チェックポイント2:許可の取得・届出の提出
遺品整理業者の場合、非常にサービス内容が多岐に渡っているので、許可・届出が必要になる作業がほとんどとなります。そのため、業務に関わる許可・届出について明確に公開している業者が良い遺品整理業者です。
遺品整理・残置物は、家庭ごみですので、必要な許可は「一般廃棄物収集運搬許可証」は大前提となります。加えて、古物商許可、産業廃棄物運搬許可、一般貨物自動車運送事業許可も取得している事業者は、適正な作業が遂行できる事業者として、安心です。
チェックポイント3:見積内容の適正
見積内容のチェック:当初の見積は安価で発注したが、作業後には追加料金で、高額な費用を請求されたというのがよくありますので、当所の見積額には十分に注意が必要です。必ず見積には作業内容(個数・大きさ等)と料金が明確になっている事業者を選ぶことが必須となります。
以上、遺品整理・残置物撤去に当たって、複数の相見積を取って、適正な事業者を選定することが最も重要であり、大切な遺品の処分をを安心して依頼できます。
【徒然のひとこと】
当事務所は、高齢者支援や遺言執行支援を通じて、空き家となった家屋の遺品整理や残置物撤去の支援にも積極的に取り組んでおります。
「遺品整理・残置物撤去・空き家管理」のご相談は大変多く、困られておられる方が大勢おられます。
当事務所は、グループ企業を含めて、遺品整理・残置物撤去・空き家管理に取り組んでおり、加えて、リサイクルショップ・ECサイトによる販売活動を通じて、ご支援させて頂いております。
行政書士やまと総合法務事務所では、高齢者支援として、ご本人の意向に沿った介護施設の案内と入居の支援、ご遺言の作成支援や遺言執行者としての支援・相続後のご支援、やまとシグナル株式会社では、空き家管理に加えて、介護施設の入居に際しての連帯保証人や身元保証人の承諾や残置物整理・撤去等の支援、リサイクルYAMATOによる古物の売却など、幅広く、サポートさせて頂いております。
遺品整理・残置物・空き家管理などに関してのご相談につきましては、お気軽に、ご相談ください。