実家の不動産相続、どうする?


当事務所は、遺言の作成支援や相続不動産の活用支援などに携わっていますが、ご依頼者からの「実家の相続不動産」に関するご相談が増えております。

 

亡くなられた故人の遺産は、令和2年の相続税の申告状況(相続税を支払った相続人)で見ると、不動産40%、現金・預貯金15%、有価証券35%、その他10%となっています。

 

これは、遺産価額が5,000万円を超える相続人(相続税を申告された方)の内訳であって、現実は、相続人の4分の3以上が遺産価額5,000万円以下の相続人であり、その内訳は80%以上が不動産(土地・建物)と言われています。

 

しかし、相続人が相続した不動産(土地や建物)に住まない場合がほとんどであり、相続不動産の維持管理、活用や売却でお悩みの方が少なくありません。

 

ご相談の中には、相続後の管理等の費用について十分な検討もしないうちに、相続放棄の期間の3ヵ月が過ぎ、「相続してしまった」とのご相談や、遺産分割協議がまとまらず、相続不動産を共有名義として、相続人間でトラブルになっているケースなど、相続不動産に関するものが多くあります。

 

今回は、ご相談の多い「実家の不動産相続」について、相続する前に検討することと、相続した後に対応することを事例を交えて、解説します。 

 


【事例】

広島に居住していた父親が亡くなり(配偶者は既死亡)、遺産総額5,000万円のうち、故人の居住の不動産(畑など含む)が4,000万円、預金が1,000万円でした。遺言書により、不動産は長男が相続し、預金は長男が400万円、長女が600万円の相続で、遺言執行したケースです。

 

長男は、東京に居住しており、相続不動産がある広島には、相続後、1年間は2ヵ月に1回は休みを取って、住宅の維持管理を続けていましたが、家屋・庭の清掃、畑の維持管理などの作業労力に加え、東京との往復交通費や、住宅の補修費など、多額の出費に、家族の家計を圧迫する事態となってしまいました。

 

こうした状況の中、2年後には3~4ヵ月に1回しか管理に行けずに、売却や賃貸などができないかと、地元の不動産業者に仲介を依頼しても、立地条件等で売れずに、相続の3年後には、放置となって、空き家状況になってしまいました。

 

このケースでは、結論から言いますと、

 

(1)「実家の相続不動産」は、相続が発生したときに、遠方に居住している場合には、特段の理由がない限り、「相続しない」ことです。

 

(2) 遺言書で相続不動産を渡された場合には、相続後、速やかに、売却・賃貸・更地などの対策を講じて、「自らが維持管理をしない」・「空き家にしない」ための対応を実行することが必要です。

 

(3) 上記の対応をしない・できない場合には、相続不動産の管理については、相続した実家の借家(空き家)委託管理サービスを利用することをお勧めします。

 

(3)を利用する場合には、自らの相続不動産の維持管理に要する労力と費用と比べて、負担は少なくすみますが、期限を決めて、依頼する必要があります。期限は、自ら居住するのか、売却(更地含む)するのか、の時期が期限となります。

 

 相談の多くは、相続不動産の維持管理問題について、先送りする相続人が少なくなく、空き家となった数年後に売ろうとしても、売れなくなって、「負債」となるケースが多くあります。

 

先送りする背景としては、下記のハードルがあります。

 

(1)売れないとき、古家(相続不動産)を取り壊して、更地にして売却する場合、業者の選定や解体費用・更地費用、さらには、建物滅失の登記手続きなどの対応と費用は、どうするのか。

 

(2)解体・更地とした後で、売却処分に必要な費用と依頼する事業者とのやり取りはどうするのか。

 

当社(やまとシグナルグループ)では、上記のハードルに対して、相続人ひとりでは解決するのが困難な問題に、ご依頼の相続人に代わって、相続不動産の売却・賃貸、解体・更地・登記手続きまでをご支援させて頂いております。

 

詳しい事項などにつきましては、お問合せを頂ければ、ご対応させて頂きます。

 


【徒然のひとこと】 


 

当事務所は、グループ会社の中に不動産会社・行政書士事務所がありますので、グループ全体で、お客様のご相談の内容によって、相続不動産の管理・運用・処分など、ワンストップでのご支援をさせて頂きます。

 

相続不動産でお困りのことがございましたら、お気軽に、ご相談ください。