東京オリンピック開催が1年延期の中、昨年まで不動産市況に沸いた首都圏の街の事情も、コロナ禍で、都心のオフィスから人影が少なくなり、不動産を取り巻く状況が大きく変わりつつ、あります。
その中でも、関心・注目が最も高い「東京オリンピック選手村」の後活用の「晴海フラッグ」は、どうなるのでしょうか?
新型コロナウイルスにより、東京オリンピックが1年延期したため、東京五輪・パラリンピックの期間中に選手村として活用した後、5,632戸の分譲・賃貸マンションに、生まれ変わる巨大プロジェクト、東京晴海の「HARUMI FLAC(晴海フラッグ)」がどうなるか、第1期分譲の高倍率で希望住戸の当選を射止めた方は、今後の動向に、人一倍心配なところです。
この物件は、都心の同等のマンションより比較的安価で購入できる情報等により、建設着工の2017年当初から買い手の関心が高く、私も、2018年12月から、「晴海フラッグ」を購入するか否かについて、真剣に検討していた一人です。
まず、この「晴海フラッグ」の大型プロジェクトについて、概要と主な特色をご説明します。
【概要】
◆所在地は、東京都中央区晴海5丁目。約18haの敷地に5,632戸という大規模複合開発の街が誕生。
(1) 都心(東京都中央区)において、超最大級の大型分譲マンションである。
(2) 23棟のマンション群・商業施設・小中学校など機能一体型の街である。
(3) 東京オリンピックの選手村マンションである。
(4) マンション開発業者大手11社の共同事業である。
(5) 中央区のマンションとしては安価での販売予定である。
【特色】
・3方を海に囲まれた景観の良さ
・広場・公園が多く開放感あり
・専有面積90㎡以上(平均)
・共有部分・エレベーターが広い
・東京五輪選手村としてのストーリー など
第1次分譲は、引き渡しが2023年の予定で、購入者は手付金として分譲価格の10%を支払ってます。第2期販売は2020年6月でしたが、現在、延期となったままです。
後期の整備地区として、2024年3月に竣工予定であったタワー型マンション2棟の着工時期も、全く読めない状況です。
もし、コロナ禍の終息が見込めない今、1年後の五輪開催、また、状況が改善されなければ、中止も危惧される状況の中、当初想定の湾岸レガシーとしてのマンション価値にも影響が及ぶことが心配されています。
今は、コロナ感染が全世界的に終息し、予定通りに、1年後に東京五輪が開催され、2023年には入居予定の方が晴海フラッグに入居できることを願っています。
現在、首都圏での既存マンションの中古価格は、地域・固有の条件によりますが、2017年頃から上昇が続き、購入した価格より高く売却できた事例が多くでています。晴海フラッグの今後の動向によっては、近隣エリアのマンション(新築・中古)の販売状況に影響が及びことが見込まれます。
首都圏のマンションの新規供給は、潜在的な需要に比べて、低迷が続いており、晴海フラッグの販売が見通せない状況で、中古マンションに購入層が流れることも予想され、今まで以上に、地域エリア格差・物件格差が広がる可能性もあります。
また、コロナ禍が出る前は東京オリンピック以降は、反動で景気が後退するという意見を耳にしましたが、五輪延期の今、先のことが全く読めない状況であり、「晴海フラッグ」の動向は、今後の首都圏における不動産市場の厳しい道のりの始まりを示すものになるのでは、ないでしょうか。
【徒然のひとこと】
「住まい」について、今後の「コロナ新常態」により、考えて直してみませんか。
コロナ禍により仕事のやり方が大きく変わってきてます。在宅勤務・テレワーク・公共交通機関を利用しない通勤など、「日々の生活」と「職場」を両立できる「住まい」が求められています。
特に、首都圏では、職場と遠く離れている住居は、コロナ感染拡大の中、生活・育児・仕事など、大変な困難に直面された方が少なくない状況です。
今、ご相談が多いのは、種々の状況によりますが、職場に徒歩・自転車で行ける住居を探している方々からです。
これから、コロナ感染リスクがゼロになることは、ないとの前提で、「平常の生活を確保するには、どうすればいいのか」のご相談にお応えしております。
グループ企業の「やまとシグナル(株)」と当事務所が全力でご支援させて頂いておりますので、お気軽にご相談ください。