H31年度の補助金!どうなる?


◆H31年度ものづくり補助金は、どうなる? ~H31年度 経済産業省の概算要求のポイントから~

 H30.10.29に中小企業庁から「H29補正 第2次応募 ものづくり補助金」について、採択結果が公表されました。

 H30年度の中小企業関連の各補助金(国)については、ほぼ採択結果がでたところです。今年の主な国の中小企業・小規模事業者関連の補助金について、現時点で総括すると、以下のとおりとなっています。

(1) H29補正 第1次応募 ものづくり補助金 採択率55.1%(採択数9,518件/応募数17,275)


(2) H29補正 第2次応募 ものづくり補助金   採択率38.9%(採択数2,471/応募数6,355)


(3) H29補正 小規模事業者持続化補助金  採択率68.9%(推定)(商工会議所管轄 採択数8,804件、商工会管轄 採択数9,728件)

 

   補助金の採択率は、ものづくり補助金でみると、開始されたH25補正1次からH28補正まで8回の応募がありましたが、30%台の採択率が4回、40%台の採択率が3回、10%未満が1回と、これまで採択率が50%を上回ることは、一度もなかったところです。


   なぜ、今回、H29年補正第1次の採択率が55%を超えたのでしょうか? 

 

 不思議と思われませんか? 予算規模が1,000億円(前回763.4億円)に増えたからでしょうか? 予算規模で言えば、H25年補正・H26年補正、H27年補正は1,000億円を超えてますが、採択率は30~40%台でした。

 

   今回、採択率がアップした要因の一つとして、審査の加点項目にあると見て取れます。具体的には、審査の加点項目として位置づけられた「ものづくり補助金の事業計画書」と「各種計画」との組み合わせを申請に入れ込めたか否かが採択のポイントとなったようです。

 

   各種計画とは、(1)先進設備等導入計画(設備投資による生産性向上を図る計画【生産性向上特別措置法(H30.6.6施行)】)、(2)経営力向上計画社内の取組(人材育成・コスト管理等マネジメント)による生産性向上を図る計画)、(3)経営革新計画(新事業活動により経営を相当程度の向上(3年計画の場合には、付加価値額の伸び率9%以上、経常利益3%以上)を図る計画)をいいます。

 

   来年度の「ものづくり補助金」申請をご検討の方は、この審査加点項目を入れ込むことが採択されるハードルの一つであります。

 

   このため、まず、今から始める準備として「経営革新計画」を作成しておくと、ものづくり補助金の採択の決め手になります。



   さて、H31年度ものづくり補助金については、どうなるでしょうか? 経済産業省のH31年度 中小企業・小規模事業者関係の概算要求等のポイントで、その動向が読み取れます。

 

   概算要求では、 生産性向上等に向けた支援措置を切れ目なく継続的に講じるため、従来補正予算で講じられてきた「ものづくり補助金」を当初予算化が記載されてます。また、予算規模は、ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業【100億円(新規)】とし、中小企業が、認定支援機関と連携して、生産性向上に資する試作品開発を行うための設備投資等を支援する。とあります。

 予算規模自体は、100億円で決して十分ではありませんが、これまで補正予算のみでの措置であったものが、今回始めて、本予算に計上されたことは、とても大きな変更点です。例年どおりであれば、H30年補正(H31.1月頃決定)で昨年並の予算額(1000億円)は予想され、H31年度本予算化された100億円は、実質、プラスと読み取れます。例年、12月下旬に決定されるH31年度予算政府案と来年1月に決定されるH30年度補正が今から注目されています!

 


   この本予算化の方針は、これらの中小企業支援の重点化について、内閣府「新しい政策パッケージ(H29.12)」に記載されてる事項からも読み取れます。 


(1)中小企業・小規模事業者の投資促進と賃上げの環境の整備


   赤字などの厳しい経営環境にある企業も含めた中小企業・小規模事業者の生産性革命を実現するための抜本的な対応として、集中投資期間中、生産性向上のための新たな設備投資を強力に後押しするため、自治体の自主性に配慮しつつ、固定資産税の負担減免のための措置を講じ、これに合わせて、「ものづくり・商業・サービス補助金」等の予算措置を拡充・重点支援する。
 

   以上、ものづくり補助金は、H30年度以降、政府の中小企業支援の目玉政策となってますので、来年度も今年度同様に、審査加点項目を入れ込めば、採択される可能性は高くなります。ぜひ、チャレンジして、みませんか?


徒然のひとこと

 中小企業・小規模事業者にとっては、事業の推進において、補助金を活用することは必須です

 

 特に、ものづくり補助金は、小規模型の補助額がアップ(補助上限額500万円➡1,000万円)(小規模事業者の補助率2/3以内:経営革新計画・先端設備等導入計画の認定が必要)が予定されてますので、狙い目です!

 

   当事務所は、補助金申請のご支援等しておりますので、お気軽に、ご相談ください。