今年の夏、東京の8月18日までは、毎日、曇か雨の「夏らしくない天候」が続いてます。
関東では先月下旬から雨や曇りのぐずついた天気が続き、このうち、東京都心は、昨日まで、17日間連続の雨に、8月としては、2番目に長い記録とニュースで流れてましたが、皆さんは、この長雨が私たちの暮らしに与える影響をご存知でしょうか?
この長雨が、私たちの暮らしに最も影響を与えるのが「この間の日照時間の少なさ」です。
先月27日から15日までの日照時間は、いずれも平年と比較して、東京の都心で42%、さいたま市で44%、千葉市で47%で平年の半分以下、仙台市では8月の日照時間が、なんと!16%と深刻な状況となっています。
関東では、この先1週間程度も曇りや雨の日が多く、日照時間がさらに少ない状態が続く見込みです。
日照時間が少ないことが、農作物・果樹などの生育に大きく影響するのは、ご存知でしょうか。
長雨・日照不足が続くと、水稲・野菜・果樹など、夏作物の生育には欠かせない「光合成」が十分にできず、根の張りも良くなく、生育が停滞し、野菜では、土壌の湿気を高まり、病害虫の発生が多くなり、土の水分が多すぎて、根腐れをおこしてしまうこともあります。
今後も、長雨・日照不足に加え、北日本の太平洋側での低温傾向が続けば、水稲の作柄低下、ほうれんそう・きゅうり・レタスなどの野菜の不作・供給量減少により、価格の高騰が予想されます。
そうなると、お米・野菜・果樹などの毎日の食卓に欠かせない食材の値上がりで、わたしたちの家計に直撃となります。
出穂直後の水稲の生育も非常に深刻となり、9月上中旬収穫の早生品種の作柄が心配されます。
予想される水稲の被害は、①登熟不良による収量・品質の低下、②成熟期の早期水稲は穂発芽の発生などです。願わくは、来週から平年並みの天候に戻って欲しいと、毎日、祈りながら、空を眺めてますが、今日も東京では雨が降りそうな曇り空です・・・、自然には、勝てないです!
長雨の被害を最小限に抑える方法として、野菜では、排水用の溝を掘っての排水や、高畝にして水はけを良くして、根腐れや病害虫に侵される状況を未然に防ぐことが必要となります。
しかしながら、雨で「ぬかるんでいるほ場」には、農業機械も入れず、労力事情も限界があって、現実には、病害虫の防除を除いては、被害を食い止めることは、難しい状況です!
収量が多くなる条件の一つに、夏の「日照時間と日較差(昼の気温は高く、夜は涼しい、昼と夜の温度差が大きいことです)と言われてます。
私の両親は、いつも「適度の雨は必要だけど、夏は暑ければ暑いほど、作物の収量は増える」と言って、暑い夏の年は、喜んでいました。
8月下旬には、天候不順を脱して日照時間・日較差が確保できる「普通の夏」の気象を期待したいものです。
【徒然のひとこと】
「自然相手の農業」➡「農業から食が生まれる」ことを私たちは忘れてはならないと思います。
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